相手の価値観を知る

前回に引き続き、価値観(認知)の話をさせていただきます。

弊社のAさんは、効率をとても大事にしています。先日、出荷でのミスがありました。X社にxの商品、Y社にyの商品を送らなければならないのに、逆にして送ってしまいました(X社へy、Y社へxを送付)。


Aさんからこの件でクレームの報告がありました。作業方法について聞いてみると「時間がないので、その日に出荷する商品を全部取ってきてから、その後、送り状を貼っていますが、それを逆に貼ったんだと思います。(まとめて作業をする)」と言いました。

「時間がないので」という言葉や「まとめて作業をする」に、「例の効率だなぁ」という思いが沸いてきました。今までの私でしたら、「なんで間違うの?としっかり確認しろよ」と怒りの感情がわいてきたと思います。だけどもAさんが大事にしていることを知っているから、Aさんの行動の筋が理解できました。Aさんは会社に貢献しようと手間をかけずにやろうとしていた。このように理解すると怒りも沸いてきません。


ここで、「効率を重視にするな!」と言いたいところですが、「対応はどうする?」と本人の意見を聞きました。そうすると「その会社ごとに商品を取ってきて、送り状を貼るようにします(一個づつ作業をする)。」と対応策を考えてくれました。

「それはいい考えだと思う。もう一つ変えてほしい、朝に出荷作業をしてくれないか?夕方は多分忙しいから注意力が下がっていると思う」というと、それは効率が悪いですと言うような返事に、とうとう私のスイッチが入りました。ここから私の大演説でした(涙)。最終的には、朝に出荷すること、会社ごとに作業をすることで合意をしました。


2週間ほどたった時に、「社長すみません。前回と同じように逆にして送ってしまいました。」とクレームの報告がAさんからありました。まず確認したことは「朝に出荷している?会社ごとに出荷している?」と聞くと「それはやっています。」と、次に「まさか前回のX社、Y社じゃないよね」と聞くと「P社とO社です」と答えました。「そりゃ、良かった。XやY社だったら、あほな会社と思われるもんな。ギリセーフやなぁ」と笑って答えました。


笑えた理由は、前回の時に、間違った作業をしたにもかかわらず、Aさんは確実性よりもまだ効率というものを大切にしているように感じたからです。(それを変えようとして大演説になりました)その価値観を大事にしている以上同じことは繰り返されると予想していて、その通りのことが起こったので笑えたのかもしれません。


さすがに二回目となるとこちらの対応策も受け入れてくれて、次からその方法でやっていくことになりました。今までの私でしたら、「仕事を覚えないダメな奴」「注意力が散漫」などAさんを批判していたように思います。Aさんの大事にしていることを知ることで、そりゃそうするかもしれないなぁとAさんの行動が理解でき、Aさんの価値観を否定することなく、Aさんの行動(効率を重視するあまりに確認が不足する)に対して対策ができました。


これは、日ごろからAさんが自分の価値観を表してくれていたおかげでできたことです。思っていても自分の意見を言わない社員さんだとこんなことはできなかったと思います。もっというと、私のサングラスで見た想像の価値観なので、よく相手を観察していきたいと思います。


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