M社 会社見学

MG研修で知り合った社長の会社を半年ほど前に訪問させていただきました。


「辻さんお待たせしました」と社長が言いながら、私の前を通り過ぎていきました。彼の姿に、違和感を覚えました。その理由は、彼の上半身を隠すぐらい大きく、立派な白い紙袋を肩から担いでいたからです。ロゴはゴディバ。あの有名なチョコレート店のものでした。 私は混乱しました。私が来ているのは塗装会社のはずです。塗装会社で、ゴディバを何のために使うのか? が分かりませんでした。


この違和感は会社を訪問した時からありました。会社に着くと、スーツ姿の女性が「辻さんお待ちしていました。こちらに掛けてお待ちください。しばらくしたら、社長が戻ってきます」と言って迎えてくれました。


私が想像していた塗装会社には似つかわしくない、女性だったのです。このときは、この人は事務員さんなんだろう。きちんと教育されていて、対応が丁寧な会社だなぁと思いました。


椅子に座って社長を待っていると目の前の階段から、スーツ姿ではなくベージュの作業服を着た女性が降りてきました。おや。また女性か? ちょっと多すぎないか? と思って、体を伸ばして事務所内を見渡しました。すると他にも女性社員がいることに気がつきました。


最初に出迎えてくれた女性は事務員と自分の中で納得させていましたが、塗装会社にしては女性が多すぎるように私には思えました。何で塗装会社にスーツ姿の人がいるの?? それに女性がなんでたくさんいるの? おかしい。想像していたものと違う。


社内をもう一度確認すると、ログハウス調です。男性社員もシュとしています。極めつけは、5S活動で有名な枚岡合金工具株式会社からもらった表彰状がありました。


もう一度言います。私は塗装会社の社長に会いに来ているのです。会社内には、ニッカポッカをはいて、塗料まみれになった男性は一人もいません。また、塗料の空缶どころか、塗料缶すらありません。もっと男くさくて、雑然としている会社を想像していましたが、全くその逆で、女性が多くて、整理整頓が行き届いたしゃれた事務所なのです。もう聞きたいことだらけです(笑)。


社長の口からは「MG」だけでなく「環境整備」「ランチェスター戦略」「新卒採用」というキーワードがどんどんと出てきます。出されたコーヒーを飲む時間も惜しかったです。一回では理解できなかったので、もう一度見学するチャンスをいただき、さらに講演もしてもらえることになりました。


先日、MG仲間と会社見学に行ってきました。入り口は完全に土足厳禁になっていました。社内に入ると、机の上は、ノートパソコンだけでそれ以外に何もありません。あれからコツコツと環境整備を続けられていたことが一目で分かりました。


環境整備を知らない参加者もいたので、打ち合わせをしていた社員さんに環境整備の前と後の差が分かるものがあれば準備しておいてくださいとお願いしました。当日、A2サイズでラミネートされた資料を10枚程度キチンと用意されていました。とても分かり易くて、初めての方にも環境整備が伝わったと思います。


参加者が多かったので、二班に分かれて説明をしてもらいました。社長は、そのA2の資料を使いませんでした。不思議に思って、後から聞いたところ、お願いをした社員さんが中心となって、社長に相談せずに資料を作成をしていたそうです。この自主性は素晴らしいと思いました。


環境整備と言えば、机の引き出しです。見てみると、びっくりしました。10年前のやり方は、ウレタンのシートに印鑑の形に切り抜き、その穴に印鑑をはめ込みます。今は単に長方形に切り抜くだけでした。切り抜いた穴に印鑑の先だけを入れます。どうなるでしょうか?



そうすると、印鑑が斜めになるんです。斜めにすることで、めっちゃ印鑑が取りやすいんですよ。ペンやハサミも斜めになっていますよね。




書類棚の工夫も素敵でした。たいていのところは、元の位置に戻るようにと、斜めに線を引きます。


美和建装さんではそんな無粋なことはしません。見てください。この可愛い工夫。旗が美しく揃っていますね。



倉庫も見せてもらいまいた。使いかけの残った塗料がほとんどないことに驚きました。社長に聞いてみると、「見積もりにこれだけの塗料を使うと書いてあるので、職人には渡した塗料は、全部使ってこいと言っています。基本は残りません。また残ったとしても捨ててます。」と言ってました。残った塗料がもったいないと小さな利益を追うのではなく、時間やスペースといった目に見えにくい経営資源やお客様との約束を大事にする社長だと思いました。


この後、社長の新卒採用に関する講演です。社長の第一声は「あなたの会社にとってのいい人材とは? ちょっと考えてください」でした。


ほっほう。うちの会社にとっていい人材とはどんな人か? そのゴールを決めずに、良い人が来てほしいと思っていた。採用の基準もないのに、良い人が来るわけないなぁ。痛いところを突かれたなぁと思いました。


そのあと評価基準の表を見せてもらいました。評価の基準は、その人の期待成果(結果)、社長がやって欲しいことが重要業務(行動)として、こういう態度で仕事をして欲しいという勤務態度(基本)を評価されていました。そのうち重要業務と勤務態度の評価のポイントを高くされていました。もちろんやったかやらなかったかの○×基準もキチンとあります。しっかりとしたものを作られているのに驚きました。


これだけしっかり作ってあるのでコンサルを入れて作ったのだと思っていましたが、一倉定さんの本を何度も読んで自分で作ったとおっしゃっていました。

紙面が尽きたので、次回に持ち越します。決してネタの使いまわしではありません(笑)。