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人は扱われたようになる

先日、師匠のブログにこのような内容がアップされていました。


(相談内容)

私の会社に3名の新入社員が入ったので、その社員さんたちの面倒を見てもらうために1人の女性社員Aさん(30代後半)を主任にしました。するとその女性の同期の女性社員Bさんの日報に「今日はとても気分が悪かった。どうしてAさんが主任になって私が主任にならないのか? 会社の人事評価に納得できない」と書かれていました。


Bさんはとても仕事のできる人ですが、あまり人の面倒を見る人ではなく、終業の17時30分を30秒過ぎればもう姿はありません。部下の面倒を見てもらうために主任にするので、私(社長)としてはBさんは向いていないと思っています。


私(社長)が見る日報に不満を書いているので、何らかの対応をするべきか、人事は会社の決定なので対応せずにそのままにするべきか迷っています。どのように対応すればいいでしょうか?


まず、対応するべきか、対応しなくていいと思うか書いて、対応するとしたらできるだけ実際に話す「話し言葉」で書いてみてください。


大事なことは「何を伝えるか?」ではなく、それを「どう伝えるか?」です。こうしたトレーニングを繰り返す以外に問題を解決する力はつかないと思うのです。


皆さんもどのように対応するのかを考えてみてください。


この相談内容を読んだ時の第一印象は、「Bさん面倒くさ」でした。ただ人事に対する不満を書いているだけで、直接言ってきているわけでもないので、私の対応はスルーするでした。


師匠の対応は、

相談をしてくれた社長さんは、その女性社員Bさんへの対応を上司である課長Cさん(男性・50代)に任せると言っていましたが、その課長さんのスキルにもよりますが、私は社長自ら対応した方が誠意があると思いました。


もし課長さんにお願いする場合は、どのような話をするつもりか確認すると思います。課長の対応によっては、Bさんの不満をさらに大きくしてしまうかもしれないと思うからです。


管理職の人の多くは仕事はできても、必ずしも部下への対応が上手な人ばかりではありません。だから、こうした事案は管理職の人(この場合はCさん)の勉強にもなると思うのです。


ただ今回、社長が対応した方がいいと思うのは、Bさんに対する「誠意」のためです。上司のCさんが対応してもいいかもしれませんが、社長が直接対応することでBさんのことを丁寧に扱っていることになると思うからです。


私ならBさんを呼んで「Bさんの日報を見せてもらいました。今回の人事でガッカリしたようですね。私は今回のBさんの日報を見て、Bさんも主任になる気があるとわかってうれしく思っています。


あなたは仕事はできるけれど、自分の仕事以外にはあまり興味がないように見えていました。でも、主任をやる気になってくれているのなら、主任の選考基準を話しておこうと思って来てもらいました。



今回の人事でガッカリしたようだけど、Bさんは『仕事ができる人』が主任になると思っていませんか?もし仕事ができる人が主任になるのなら、私はとっくにBさんを主任にしています!


でも、わが社では『仕事が出来る人』を管理職にするのではなく、人を育てたり、組織の文化を作ってくれる人を管理職に選んでいます。


役職がついている人が偉いわけではなく、自分の仕事をやることが主な仕事か、会社を作っていくのが主な仕事かの違いなのです。もしBさんが自分の仕事だけでなく、自分が退職した後のことまで考えて会社を作っていってくれるとしたら会社としては大助かりです!


もし管理職になる気持ちがあるのなら、そこを意識して頑張ってください! 期待しています!」と伝えます。この対応の一番のポイントは、Bさんに対して会社が「誠意」を持って対応することです。


話というものは、ただ要件を伝えればいいというものではありません!その伝え方や伝える人によって、とても事務的に感じたり、その人への信頼感を高めると思います。


「対応しない」と判断した人の多くは、問題が起きなければ対応しなくていいと考えていて、相手との信頼関係を高めようとは思っていない気がするのです。そのうえで、Bさんを「不満を言っている人」と扱うのではなく、「Bさんも主任になる気がある人」として接っすること。


管理職と一社員の役割の違いを説明することがポイントになると思うのです。


皆さんが日報に不満を書いた場合、何も反応がないのと、キチンと対応されるのとどちらの方に誠意を感じるでしょう?直属の上司から話があるのと、100人の会社の社長自ら話があるのと、どちらの方に誠意を感じるでしょう?


社長が対応したことによっていい気になって何度も日報に不満を書くようになるとしたら、その人はよほどレベルの低い人です。まともな人は、きちんと対応された方がみっともないことをしなくなると思うのです。


何人かの方が不満を感じているBさんに対して「Aさんのことをフォローしてあげて」と書いていましたが、キチンとした説明がないまま「Aさんのことをフォローしてあげて」と言われたらどう思うでしょう?不満を感じている人にしたら「応援しよう!」と思うよりも、「都合のいいことを言うな!」と思うと思うのです。


師匠の言う通り「主任になる気がある人」として対応するのと「面倒な人」として対応するのでは、結果は雲泥の差があると思いました。


このブログを読んだ後のMGで、初参加の方が、計算間違いをして、一人で悩んでいました。かなり時間が経っていたので、「大丈夫ですか?」と声をかけたところ「大丈夫です。自分でやります」と返事をしました。


この時、私は「素直じゃないなあ」と思いました。後から思い直すと、彼には、自分でやりきろうという良い意図がありました。それを見落とし、彼のことを素直じゃないと判断してしまいました。師匠のブログで学んだのに、なかなか活用していません(涙)。


師匠ならもっとうまく対応すると思いますが、「自分でやりきろうという意欲は素晴らしいね。ベテランに聞いた方が、上手くいこともあるよ。そしてあまり遅くなると研修の進行が遅れて参加した人に迷惑をかけるから、そういうところには注意した方がいいと思うよ」とくらいには、言えたはずです。まだまだ修行が足りません。


この師匠の講演が12月17日に名古屋で開催されます。良かったら、ご参加ください。申し込みは、こちらのHPから。


 
 
 

1件のコメント


ゲスト
2022年10月23日

いつも含蓄のある言葉をありがとうございます。ついつい目の前にあることだけに目を向けてしまいがちですが、実はその奥にあることがもっと目を向けなければいけない本質であることを忘れてないけないという教訓ですね。

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​研修(MG)予定

  • 2025年12月10日 9:30 JST – 2025年12月11日 17:30 JST
    エコハウス 浦和店, 日本、〒336-0022 埼玉県さいたま市南区白幡4丁目29−5
    埼玉県武蔵浦和にて、マネジメントゲーム(MG研修)を開催します。 経理と経営がゲームを通じて学ぶことができます。
  • 2026年1月12日 9:30 – 18:30
    ウィンクあいち, 日本、〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4−38
    TOCとは、制約理論もしくは制約条件の理論と呼ばれ、2001年5月初めて日本で出版された「The・Goal」が反響を呼んだことを覚えておられる方は多いと思います。あの本は、3.5cmの厚み、550ページもあります。挫折した人がいるかもしれません。今回サイコロを使った簡単なゲームですので、楽しくTOC理論を学ぶことができます。
  • 2026年1月28日 9:30 JST – 2026年1月29日 17:45 JST
    ウィンクあいち, 日本、〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4−38
  • 2026年2月10日 9:30 JST – 2026年2月11日 17:00 JST
    春蘭の宿 さかえや, 日本、〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町平穏2171
  • 2026年2月19日 9:30 JST – 2026年2月20日 17:30 JST
    エコハウス 浦和店, 日本、〒336-0022 埼玉県さいたま市南区白幡4丁目29−5
    前回の好評を受けて、また浦和で開催するチャンスをいただきました。
  • 2026年2月23日 9:30 – 18:00
    浜松市福祉交流センター, 日本、〒432-8035 静岡県浜松市中央区成子町140−8
    TOCとは、制約理論もしくは制約条件の理論と呼ばれ、2001年5月初めて日本で出版された「The・Goal」が反響を呼んだことを覚えておられる方は多いと思います。あの本は、3.5cmの厚み、550ページもあります。挫折した人がいるかもしれません。今回サイコロを使った簡単なゲームですので、楽しくTOC理論を学ぶことができます。
  • 2026年2月28日 9:30 JST – 2026年3月01日 18:00 JST
    株式会社ショーワ, 日本、〒101-0065 東京都千代田区西神田2丁目7−8
    東京、水道橋にて、マネジメントゲーム(MG研修)を開催します。 経理と経営がゲームを通じて学ぶことができます。
  • 2026年3月17日 9:30 JST – 2026年3月18日 18:00 JST
    ウィンクあいち, 日本、〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4−38
  • 2026年4月07日 10:00 JST – 2026年4月08日 18:30 JST
    交通ビル, 日本、〒105-0004 東京都港区新橋5丁目15−5
    東京、新橋にて、10卓MGのマネジメントゲーム(MG研修)を開催します。 経理と経営がゲームを通じて学ぶことができます。
  • 2026年5月14日 9:00 – 2026年5月15日 17:00
    中村土木建設 本社, 日本、〒477-0031 愛知県東海市大田町松崎331−1
    ナカミライズホールディングスでの社内MG研修(マネジメントゲーム)です。社員さんと語り合う。雰囲気を味わうことで、伸びている会社とはどういうことかを肌感覚で知ることができると思います。

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