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管理職の仕事

「管理職の仕事は何ですか?」と問われて、キチンと答えられますか? 私は、漠然とした答えしか持っていなかったです。


その答えを得るために、私が尊敬するお二人の方に、このような質問をしてみました。


問1 管理職の仕事とは具体的にどういうことでしょうか?


問2 どちらを管理職として選びますか?

Aさん 仕事、能力 〇 人柄、人間性 ×

Bさん 仕事、能力 × 人柄、人間性 〇


この質問に答えてくださったのは、PHPゼミナール・講師として30年間活躍されています辻騎志さんです。辻さん曰く、管理職の仕事とは、


①成果を出す。

 ①ー1顧客満足を上げる

 ①ー2従業員満足を上げる

 ①ー3業績を上げる


②強いチームを作る


③新しい仕事を見つける

 ・係長・・・業務改善

 ・部長・・・新サービス、新商品


この答えを聞いたときに、問2の答えはAさんなのかなぁと思っていましたが、Bさんでした(理由は後述)。


私の師匠に、聞いてみると、管理職の仕事とは、社長を羊飼いに例えたら、管理職は牧羊犬になって欲しいんだよ。とおっしゃいました。


社長の方針を、部下(羊)に伝え、部下(羊)を社長の意図する方向へ行くようにリードしていくことだと私は理解しました。辻さんの②に似ていると思いました。そして問2は、やはりBさんでした。理由は、辻さんも師匠も同じでした。


辻さんは、もうこれは歴史が教えてくれているんですよ。とおっしゃました。司馬光と言う人が、人の能力を「才」、人間性を「徳」とした場合、人を以下の4つに分けました。

聖人:才も徳もある人(才〇  徳〇)

君子:徳が才に勝る人(才 < 徳 )

小人:才が徳に勝る人(才 > 徳 )

愚人:才も徳もない人(才×  徳×)

今回は、質問に合わせるために、才=能力、徳=人柄に変換すると表1のようになります。


表1

能力 低

能力 高

人柄 良

君子

聖人

人柄 悪

愚人

小人

この表を見せられたら、君子>小人ですから、Bさんを選ぶしかないですね。しかし人柄が悪いとはいえ、能力の高い人を小人とさげすんで評価される理由を知りたくなりました。


小人は、能力があるので、社長の方針に従わずに、自分の判断でやってしまう。ひどい場合には、自分の利益のためや、自身の評価を高めるためにずるいことや同僚や部下を利用する可能性があると言われました。


さらに言うと、小人と愚人となら愚人の方が良いと言われました。その理由は愚人は、成長する可能性があるが、小人は、才があるゆえに変化しないことが多いと言われました。


能力のない愚人の方が良いというのは、びっくりしました。説明をお願いすると、能力を儲かる。儲からない。人柄を正直、インチキに書き換えて表2を書いてくれました。Cはインチキをして儲けています。Dはインチキしても儲からないのです。


表2

儲からない

儲かる

正直、誠実

B

A

インチキ、卑怯

D

C


CとDなら、どっちが良いかと問われました。私はすぐにAに行けるCが良いと思いましたが、師匠は、Dの方が良いのだよと言いました。


Dは貧乏だから、これ以上落ちないよね(笑)、だから、正直になることだけ努力をすればいい。正直になれば、良い人からの応援が集まり儲かる方法が分かってくるよ。D→B→Aのルートで狙うことができる。


Cは、今までインチキして儲けていたのに、正直になって、儲けることは無理だと思うよ。つまり、C→Aと言うルートはないんだよ。Cは、一旦貧乏を選んでから正直になって、儲かるというルートをたどることになる。C→D→B→Aと言うルートをたどることになる。Cが一番遠い位置なんだよ。その上、せっかく、今まで儲けているのに、貧乏になることを選びにくいよね。とおっしゃいました。確かにそうだと思いました。


師匠の儲けるから儲からないへ努力するC→Dへの大変さは理解できましたが、表1でいうと、小人→愚人のルートになります。能力を高いから低いに落とすことは、どんな意味になるのかが、分かりませんでした。


辻さんにも説明を頂きましたが、この部分は、ネットに掲載されていた京セラを興した稲盛さんの記事の抜粋の方が分かり易かったのでこちらを紹介させていただきます。


京セラも成長期には人が足らないので、ずいぶんたくさん中途採用をやりました。外から優秀な人たちがたくさん入ってきたのです。高学歴で立派な職歴を持つ人たちです。

私は彼らに言いました。「あなたたちは自分に才能があると思っている。それで世の中を渡っていくつもりかもしれないが、やはり大切なのは人間性だ」と。しかし才のある人たちは話を聞いてくれない。


私は、彼らが能力、実績だと思っている「虚飾」や「うぬぼれ」を引き剥がします。私はこれを「むしる」と呼んでいます。虚飾をむしられると、みすぼらしい自分が出てきます。恥ずかしいから、また一生懸命に虚飾を纏おうとしますが、それをむしる。これを繰り返すと、天狗になっていた人が謙虚になり、物事を学ぶ姿勢に変わります。


松下幸之助さんはこの状態を「素直」と表現されています。自分は小学校しか出ておらず学がないから、人が言うことを素直に聞いた。それで人間として成長できた、とおっしゃっています。


C→Dは、才能や今までの実績、自負心を捨てて、素直になれるのか? を問われているように思います。これからの私の課題です。



​研修(MG)予定

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