短所を克服、長所を伸ばす。どちら?
先日、ある社長と話をしていていて、またやっちゃった。あれだけ注意しているつもりだったのに! という思いがわきました。
このことを説明をするのに少し回り道させてください。一般的には長所を伸ばせといいます。
私は、それがいいことだと思っていました。わざわざ短所を克服するということは、苦手なことに向かうことです。非常に効率が悪く、無駄な時間を割いているように思いました。
それよりも上手なことに時間を割いて、その能力を伸ばした方が効率がいいと考えていました。
以前、師匠から、「古くなった木桶に、水をめいっぱい入れたらどこまで水が入る?」と聞かれました。
私は「そりゃ、側面の板の一番低いところまでですよ。」とこんな分かり切ったことをなんで聞くのだろうと不思議に思いました。
人で言うと、その高さがその人の評価になるんだよ。木桶のが側板の高さのように、人も良いところは高く、悪いところは低くなるんだよ。そして、その低い方の高さまでしか水が入らないように、人の評価も低い方で評価されがちなんだよ。と言われました。
もちろん、その長所が人に比べてびっくりするほど高ければ、高い方で評価されるとは思うけどね。そんなに長所が高いのなら、人生成功しているよと笑っていました。
なんとなく言いたいことは分かりましたが、私は、納得してはいませんでした。それに気が付いたようで、さらにこう言いました。「沢尻エリカという女優がいるよね。彼女が、家事はきちんとできる。価値観も辻君と似ている。そんなことはありえないが、沢尻エリカと付き合うチャンスがあったとしよう。」
「まぁありえない話ですが、受け入れることにしましょう(笑)。」
「沢尻エリカは、薬物で逮捕されたよね。付き合うかね?」
「悩みますが、止めときます。」
これが木桶の話だよ。沢尻エリカの容姿が抜群にいい。家事もきちんとできる。価値観も似ている。これはある意味長所なわけだ。
この長所だけ見れば付き合うしかないよね。だけど辻君は、「薬物で逮捕された」という一つの短所だけで、ほかの長所は捨てても付き合わないと判断をしたわけだ。
つまり、人の評価は、おおむね長所<短所なのだよ。長所を磨くよりも、短所を克服しろとまではいわない。見えないようにすることが大事なんだよと言われました。
それ以来、私の短所である「人と正しさで勝つ」を、見えなくするために、他人とは戦うことから避けているつもりでした。
しかし、社長の話から、私の癖である「人と正しさで勝つ」をまだやっていることに気づかされました。
なんで、意識していてもやってしまうのかと考えてみました。短所は体臭のようなものだと思うのです。体臭は、いつも自分がかいでいるので気づきにくいですね。
短所とは自分の普段やっている癖だと思うのです。いつも何気なくやっているので、本人は気づきにくいと思うのです。
短所を克服と簡単に書きましたが、それをやっている現場を自分で気づくことの難しさを感じた次第です。まだまだご迷惑をおかけしているようですが、寛大な心で対応して頂けると幸いです。
今日のひとこと
「届くといいな。ごめんなさい」
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