新幹線が止まってくれて、良かった
- 7月1日
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「浜松駅で事故があり、新幹線が止まっているよ」と、妻からLINEがありました。先月、埼玉でのMG研修を終え、自宅へ帰る電車の中でのことです。東京駅に着くと、事故内容のアナウンセンが駅構内に響いていました。
よく聞くと、17時に事故が発生し、19時の時点でもまだ警察と消防が対応中とのこと。「対応が終わり次第、運転を再開します」と繰り返されています。
私の最終電車は20時半。これから残り1時間半で、本当に新幹線が動くだろうか……。電車の再開時間が分からないイライラと、「このまま待つべきか、どうしよう」という焦りが入り混じり、心が波立ち始めました。
改札前は、足止めを食らったたくさんの人でごった返しています。ある親子が、出発未定と表示された時刻表のモニターを見つめながら、「これって、事故を起こした人が(私たちにも)補償してくれるのかなぁ」と話しているのが聞こえました。
それを聞いて、心の中で「いや、それは人災だから無理でしょ」と突っ込みを入れました。これは、JRと事故を起こした当事者間の問題であって、乗客である私たちの課題ではありません。
このことに気づき、「自分の課題は、自分で解決するしかない」と思いました。そして次の行動をするために、手元の携帯に目をやりました。画面に映る愛犬の待ち受け姿が目に入りました。すると、ざわついていた心が少し冷静になりました。
「今のこの状況は、まるでMGのリスクカードを引いたようなものだな」そう思えたのです。悪いリスクカードを引いたとき、どう対応するかは非常に重要です。感情的になっても事態は何も改善しません。いくら怒りをぶちまけても、新幹線が早く動くわけではない。それは、私がMGから深く学んできたことでした。
そこで、今後の展開を予測してみました。人身事故の処理には最低でも3時間はかかる。再開は20時を超えるだろう。そうなれば、仮に動いたとしてもこの大混雑ではすぐに席を取れないかもしれない。それでは名古屋からの近鉄の最終電車に間に合わず、結局名古屋で足止めになる可能性が高いと予想しました。
この予想から、「今日、帰るのはあきらめて、東京宿泊に切り替えよう」と方針が決まりました。すぐに携帯を操作し、ネットで近くのホテルが確保できました。ホテルに移動をして、部屋に入り、荷物を下ろしてホッと一息ついたとき、師匠の言葉が頭に浮かびました。師匠は、よく「状況を楽しめ」とおっしゃいます。「まさに今が、その教えを実践する場面じゃないか」と思えてきたのです。
ダメ元で、東京の友人に連絡をしてみました。すると「ちょうど20時から、MG仲間で集まって飲んでるんですよ!ぜひ来てください!」と思いがけない返事が。
このタイミングの良さには本当に驚きました。合流すると、友人から「辻さん、今日帰ると思ってたから誘わなかったんですよ。新幹線が止まってくれて良かったです!」と歓迎されました。
久しぶりに顔を合わせる仲間もいて、気づけば最高に楽しい時間を過ごしていました。もしあの時、東京駅で怒ったまま腐っていたら、この楽しい時間は絶対に生まれていません。
今回の自分の感情の変化を振り返ると、「先が見えない状況」や「方針を決め切れていない状態」のとき、心は一番モヤモヤし、イライラが募っていました。MGで例えたら、悪いリスクカードを引いて、ただブツブツと文句を言っているだけの状態です。これが一番もったいない時間だと思いました。
「東京に泊まる」と決断した瞬間にモヤモヤは収まり、ホテルを予約して荷物を置いたことで安心感が生まれ、そこから「楽しもう」という前向きな思考に切り替わりました。
悪いリスクカードを引いてイライラするのは人間だから仕方ない。けれど、大切なのは「その後、どう対応するかを決めて、すぐに動くこと」だと改めて思いました。
人生は、起きた出来事そのものよりも、「その後に自分が何を選択するか」でいくらでも変わっていくのだと思います。不測の事態を豊かな時間に変えられた今回の体験は、私にとっても大きな学びとなりました。おかげで、ニュースレターのネタが一つ増えました(笑)。
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