そして、奇跡は起こった

半年も通信を続けることができました。これも勝手に送らせてもらっているのにもかかわらず、わざわざメッセージをくださったり、優しい言葉をかけてくださる方々いてくれたおかげと感謝しています。


今回は、「そして、奇跡が起こった」という本の紹介です。1900年代初頭にイギリスの威信をかけて、南極横断という偉業を達成しようと挑戦をしたシャクルトン隊が、南極点すら到達することもできずに遭難し、奇跡の生還をした記録です。

南極点を目指したシャクルトンの船は、例年以上の流氷に囲まれて、動くことができなくなり、舟を捨てて、小型のボート三隻で一年以上のもの間、氷の上を彷徨いました。その状況でも乗組員28名全員が一人もかけることなく、全員が生還した事実は、極限状態での「リーダーのあり方」を表しているように思います。このコロナという猛吹雪の中を進んでいる経営者やリーダーに勇気を与える一冊だと思います。


私は、不況期を乗り越える最大のポイントは、「リーダーシップ」と、みんなが思いを一つにする「明確な目的(理念)」だと、それがあるから、我慢もでき、無理が聞くのだと学びました。シャクルトン隊に、何度も想像を絶する困難が襲い掛かってきますが、彼らはそれを乗り越えました。そのポイントはどういうところだったのかを中心に読み進めていきました。


シャクルトンは、隊員が閉所恐怖症に陥ってないかと日課を決めてきちんと守らせたり、身体測定をしたりと緻密な管理をしたり、浮浪者みたいになっていることに気が付いて全員を散髪させたり、毎朝、自分で笛を吹いて隊員を起こし、号令をかけていました。シャクルトンの日記には「平静を保つこと、忍耐、忍耐」と何度も書かれていて、彼は規律に厳しいように思えますが、隊員からの評価は「隊長はいつも快活で、あの人といると元気が出た。俺たちはやってみせるここから絶対脱出するぞという、そんな気になれた」とシャクルトンがこだわっていることと隊員からの評価が違っているように思います。


それはシャクルトンの隊員への気遣いがあったからだと思います。大波をかぶった隊員に「水が滴っていい男ぶりじゃないか」と声をかけて、つらい状況を笑いに変えたり、具合の悪い人がいると全員にミルクを飲むように命じて、休憩が具合の悪い人のためだと気づかせない配慮をしたり、隊員同士のケンカを辞めさせることが目的でテントのメンバーを交代させますが、違う口実を使ったり、南極圏を脱出した際は特別な飲み物をふるまったり、濡れた寝袋で寝るしかない惨めな状況になったときは、テントを回って様子を尋ねて、直面している危険とは全く関係のない話題で話しかけたりときめ細やかな気遣いをしています。


シャクルトンは、ルールを守って、キチンと生活することでチームパフォーマンスを高めるだけでなく、隊員と接する際には、優しさ、気遣いがあります。強さと優しさを兼ね備えることがリーダーシップなのかもしれません。

私は、以前業績が悪くなった時に、否定的な言葉を使ったり、正直に会社の状況を説明したことがありますが、それで奮起してくれる人はいませんでした。


この苦しい状況であるときこそ、シャクルトンのように、「あの人といたら元気が出た。絶対脱出するぞという気になれた」と言ってもらるような態度や言葉を使っていきたいと思います。

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