パラダイムシフト

私には、「酒を飲まなければ、良い人」という方が二人います(笑)。そのうちの一人A社長の話です。今年、もう一冊書き上げようとしているBSの小冊子の内容をブラッシュアップするために、お世話になっている方々に集まってもらって、BSの講義をしました。参加していただいた方に、私の講義の流れや説明で不足しているところを確認してもらいました。A社長にも参加を頂きました。


予定していた時間が余りました。そうするとA社長が、皆さんに相談したいことがあるんだけど時間を頂いてもいい? と言いました。


何を話をするんだろうと思っているとA社長が、今度、社内勉強会に呼ぶ先生を社員にどのように紹介したらいいのだろう?ということでした。


A社長の会社では年に一回、外部講師を呼んで勉強会をしています。社外の人も参加できるというオープにしています。私も参加をさせてもらっています。今まで、「本のソムリエ」「スーパーやまとの社長」などを呼んでいます。講師の選択が面白いなと言う印象がありました。


今回は「元教師の藤野高明さん」というのです。教師を呼ぶの?と思いました。A社長から藤野さんの半生を聞いて彼の壮絶な人生に驚きました。


藤野さんは、現在83歳です。目が見えず、手がありません。二重の障害を持ちながら教師を目指し、次々と行く手をさえぎる差別・偏見と闘い、夢をかなえていくのです。


藤野さんは終戦後の7歳のころに、庭先で遊んでいると不発弾で事故にあいます。これで目と手を失います。一緒に遊んでいた5歳の弟はこの事故で無くなります。障害のために20歳までまともな教育を受けれません。


唇で点字が読めることを知り、20歳から盲学校に入学します。次に教師になるために大学を目指しますが、どの大学からも断れました。それで障害のことを隠して通信制の大学へ入学します。通信と言っても何度か登校する必要があり、そこで障害ことが知られて、大学職員から諦めるように説得されます。


藤野さんは諦めることなく大学を卒業をされ、教員試験にも合格をされます。しかし、また壁が表れます。合格しましたが「欠員がない」として採用してもらえませんでした。

再度、教員試験を受験をして母校の教師として採用されました。34歳でした。そして定年まで教師を務めあげられたそうです。


すごい人がいるんだと感心しました。


A社長が「人生でこれだけ壁とぶち当たり、乗り越えてきた方なので、すごい意欲のある方かと思ったんです。だけど藤野さんにアポをもらってお会いすると、見た目も話も普通のおじいちゃんなんです。このただのおじいちゃんをどうやって社員に紹介したらいいでしょうか? 本来は、もっと生きる意欲とか、環境を恨むのではなく、環境に合わせて頑張ることの大切さを社員に伝えたいんですが、どうしたらいいでしょうか(私の思いのが社員に伝わるでしょうかだと思います)?」


とみんなに質問をしました。この質問の答えは今回のブログにはあまり関係がないので割愛します。


ここまで藤野さんのすごさを語ってきましたが、言いたいのはこのA社長の考え方の素晴らしさなのです。


私がやってきた社員教育は、MGやTOCなど業務の作業効率の向上が目的です(研修が悪いのではなく、私の考え方が悪いのです)。会社が儲かって、社員さんに十分な給料を支払うことができ、幸せになるという概念です。

A社長は、純粋に社員の幸せを願っていると思います。外部講師の選定を基準を考えれば分かりました。すぐに業績に直結するような人を選んでいません。講師の生き方から学んで欲しいと願っているように思います。


また、A社長には「読書で人生は良くなる」という信念があります。新入社員には、3年間課題図書を渡し、感想文を書いてもらって添削しています。読書が習慣になること。読書から気づくことを目的にされていると思います。

A社長は、本気で社員の幸せを願っているだけでなく時間を惜しまず関わっています。A社長はギブアンドテイクのギブが先で、私はギブアンドテイクのテイクが先な感じの取り組みです。


先日私の師匠のブログでの中で、「多くの社長は売上や生産性にかかわる研修は依頼しても、社員さんの人生を応援する研修を依頼しません。

しかし、自分の人生を本気で良いものにしようと思っていない人が、仕事に本気で取り組むでしょうか?(中略)


経営塾の時に、Z社長から「次回の研修のときに、この映画(注:モリー先生との火曜日)を社員さんたちと一緒に観たいと思うのですが」と相談されたとき、私はZさんの社員さんに対する愛情を感じてうれしく思いました。


人を雇用した時も、「この人に幸せになってほしい」という愛情がなかったら、社員さんはただの労働力(機械)になってしまいます。」と書かれていました。


このブログを読んで、私のやっていたことは、機械の製造能力が高かったら、それに見合う給料を払うし、悪かったら教育して効率を上げて給料でお返しをしようとしていることに気がつきました。お金が基準になっています。


A社長は、購入した機械を大切に扱っているように思います。A社長は、社員さんが自身の人生を大切にすれば、会社や仕事も大切にすると考えられているように思います。私とA社長では考えの根本が違うと思いました。


自分が正しいと思うこととは、逆のことを引き受けていき、その結末を体験することで、これまでの執着から脱却(パラダイムシフト)していきたいと思います。


9/1に小冊子を発売しました。初版(500部)がすぐに完売し、皆様のご協力のおかげと感謝しています。この小冊子の完成を祝って、師匠が講演をしてくださることになりました。

12月17日 17時から19時 名古屋の東別院会館です。


記念講演のお申込みは

https://forms.gle/cyKEaQWpQk7gcejy5



小冊子のお申込みは

https://forms.gle/5ufvfydmLLBRArdb7