人には逃げずにクリアーすべき課題がある
- 辻 敏充
- 6月1日
- 読了時間: 3分
先月に、師匠のMG研修に参加をしました。このMG研修は、軽度の障害を持ったAさんが参加されていました。健常者にとってもなかなか大変なMG研修にAさんを参加させるのは、どんな狙いがあるのかと思いました。
その場で質問はしなかったので、意図は分かりませんでした。ただ、AさんがMG研修を嫌にならないようにと、決算を早く終わらせて、Aさんの決算の計算の手伝いをすることをにしました。
Aさんの横につきました。なかなか計算が進まないなのですが、よく観察すると、電卓の入力は、ゆっくりではありますが間違いはありませんでした。決算は、縦や横合計を何度も計算します。横合計する行や縦合計する列をハッキリさせるために定規を使います。
私が、「ア行に定規を当てて」と指示すると、最初はア行に定規があっているのですが、しばらくすると定規が動くのです。これではどこを合計すればいいのかが分かりません。これが原因で、計算が遅れていることに気が付きました。
それで「Aさん定規をキチンと当てて動かさないでください。」と指示をしました。やっぱりしばらくすると左手が少し動くのです。多分、無意識な感じしました。定規がずれるから、どこに計算すればいいのかが分からない。ということ何度もを繰り返しました。
そのたびに、「定規を当てて」「定規を動かしたらダメだよ」と言いました。言われている方からすれば、何度も同じような注意を受けるのです。私なら嫌になり、反抗的な態度を取ったと思います。
Aさんは、言われた通りにやろうと努力を繰り返していましたが、左手が動く癖は治らずに、苦労をして決算を終えられました。初日が終了して懇親会がありました。私は、早くから席に座っていました。後から会場に来たAさんが、どこにしようかと迷いながら歩いていました。私なら小うるさい人は避けると思っていました。予想に反し、Aさんは私の前の席に座りました。
そして、「アドバイス、ありがとうございました」とお礼を言われました。立派な態度だなぁと感心しました。後日、師匠のブログにはAさんを参加させた目的が書かれていました。
先日、己書の師範試験に挑戦したAさんは軽度の障害を持っていました。Aさんは障害のため「あれが苦手!」「これはヤダ!」という人生を30年近く送ってきたため、これまでの人生の大半を家で暮らしていました。(中略)
己書の師範になっても誰もが儲かるわけではありません。Aさんが障害を負ったのはAさんのせいではありません!そのハンデを武器(強味)にして、儲かるようにするしかないと思うのです。そのためには大変でも越えなくてはならない山があるのです!
おそらくAさんはこれまで人から同情されたことはあっても、人から尊敬されたことはないと思います。しかし、今回のAさんの取り組みを見て、自分の不甲斐なさを感じたと思います。Aさんはゲームで1位になったわけではありませんが、参加者から尊敬された(師範になった)のです!
Aさんの感想文には、「己書の師範としてやっていけるように怠け者の自分の行動を変えていきたいと思います」と書かれていたと師匠のブログで知りました。
今はマトリックスの練習を毎日やっているそうです。Aさんが苦手ことに挑戦しているのです。私も自分に必要なことはどんな状況でもやり切っていきたいと思います。
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