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成果と妥協の分かれ道

更新日:7月26日

2年前に、私のMG(マネジメントゲーム)に参加し、その後も何度か参加をしてくださっているKさんという方がいらっしゃいます。Kさんは、数十社の会社を経営されているビジネスオーナーです。


初めてお会いした際にKさんがおっしゃった言葉が、今でも心に残っています。「若い頃、決算書が全く分からなかった。どうやって勉強すればいいのかも分からなかった。だから上場企業の有価証券報告書を買ってきて、それを分析しながら読み方を覚えたんです。」


今ではネットで簡単に取得できますが、当時は書店で購入するしかありませんでした。まぁまぁ値段もしたように思います。Kさんは、本当に理解するために、お金と時間を惜しまずに、努力をする、本当に立派な方だと感じました。


そんなKさんが、グループLINEのような場で、印象的な内容を投稿してくださいました。素敵な言葉だったので、私自身の体験も交えて文章にまとめてみました。


Kさんは2023年に「MG300期を1年で達成する」という挑戦をしていました。その姿に対して、周囲からは「やりすぎでは?」という声も多くあったそうです。(300期を達成するには120日研修を受講するということです。)


しかしKさんには、揺るがぬ覚悟と明確な理由がありました。Kさんはこう語っています。「コツコツ努力しても、そこに妥協が含まれていれば、成果にはつながらない。最大限努力しても結果が保証されるわけではない。


けれど、少しでも手を抜けば、確実に目標から遠ざかる。それが現実であり、競争の厳しさです。」「大体できたから、このくらいでいいだろう」という小さな妥協の積み重ね。それは、いつの間にか目標から大きく逸れてしまう原因になります。


Kさんはこの「妥協の怖さ」を深く理解しています。どんな小さな仕事でも「やり切ること」「手を抜かないこと」に強いこだわりを持っておられます。そしてそれは、業績目標のような大きなことだけでなく、日々の整理整頓や社員教育といった“見えにくい努力”にも貫かれているのです。


まさに「目に見える結果の背後には、目に見えない行動の積み重ねがある」ことを体現されていると感じます。


Kさんの姿勢は、私の経営の師匠の考えとも重なります。師匠は「努力を積み重ねること」の大切さを繰り返し説いておられます。ただし、その努力が“質の高いもの”であることが前提です。


どれだけ時間をかけても、それが“やったつもり”の自己満足では意味がない。逆に、短時間でも本質に集中すれば、大きな成果を生むこともある。つまり、ただ「頑張っている」ではなく、「どんな頑張り方をしているのか」が問われていると思います。


私自身にも、それを実感する出来事がありました。私はこれまで、合計で1万3千枚以上のはがきを書いてきました。ご縁をいただいた方には、必ず全員にハガキを書くというのが、私の信念でありこだわりです。しかし振り返ると、最初の頃は「年間○○枚書く」という数字だけを目標にして、ただ“枚数をこなす”ことに夢中になっていました。


まさに、効率を重視し「数を増やす」ことばかりを追っていたように思います。そんな頃、師匠にこう言われたことがあります。


「ハガキを書く目的は何なのですか? ただ枚数を書いても何の価値もありません。80円のハガキが、80円以上の価値を生むように、これを狙っていますか?」


この言葉をきっかけに、私ははがきの“質”を見直すようになりました。「相手が読んで嬉しいと思うだろうか?」「読んだ人に勇気を与える言葉になっているだろうか?」と意識して書くようになりました。


しかし、最初はなかなか効果を感じませんでした。1万枚を超えたあたりから、少しずつ社内MG研修の講師の声がかかるようになってきました。


これは偶然ではなく、「心を込めて届ける」という姿勢への転換が、実を結んだのだと感じています。今は、「時間を短縮し効率化する」ことが求められています。けれど私は、“非効率に見える努力”こそが、最も大きな“効果”を生むと思います。


動画を倍速で観ても、すべてが身につくわけではありません。読書も、要約だけで理解したつもりになるより、一冊をじっくり読むことで深い気づきを得られることがあります。


仕事でも、すぐに成果が出る“効率的な手法”ばかり選んでいては、本当の信頼関係や継続的な成果にはつながりません。むしろ「やり切る力」「手間を惜しまない姿勢」こそが、長期的には圧倒的な差を生むのだと思います。


若い頃の私は、「やっても成果が出ない」と焦るたびに、「もっと効率よく」「もっと簡単にできる方法はないか」と考え、さまざまな研修に参加していました。しかし、その多くは一時的な効果こそあれ、長期的には何も変わりませんでした。モルヒネのように、一時的に痛みは和らいでも、根本的な治癒にはならなかったのです。


今になって思います。「自分は“努力”を積み重ねているつもりで、実は“妥協”を積み重ねていないか?」これを常に問い直す必要がある、と。


「微差大差」という言葉のとおり、成果の差は、最終的には「小さな差の積み重ね」で決まりまると思います。効率ばかりを追いかけて、本当に大切なものを見落としていないか。今一度、立ち止まって見つめ直すことが大事なのだと思います。


これからも私は、「効率」より「効果」、「スピード」より「深さ」を大切にしながら、コツコツと、妥協せず「やり切る努力」を続けていきたいと思います。






 
 
 

2件のコメント


佐賀担当のいちご家
7月26日

貴重なお言葉をありがとうございました!私自身の日々の意志決定に妥協がなかったか?考えるキッカケをくださいました!ありがとうございます。今後ともご指導頂けますと幸いです!

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8月01日
返信先

私が、ご指導するほどのものではないですし、気づいて実践するのはご自身です。何かのきっかけとなったのでしたら、うれしい限りです。


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​研修(MG)予定

  • 2025年12月10日 9:30 JST – 2025年12月11日 17:30 JST
    エコハウス 浦和店, 日本、〒336-0022 埼玉県さいたま市南区白幡4丁目29−5
    埼玉県武蔵浦和にて、マネジメントゲーム(MG研修)を開催します。 経理と経営がゲームを通じて学ぶことができます。
  • 2026年1月12日 9:30 – 18:30
    ウィンクあいち, 日本、〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4−38
    TOCとは、制約理論もしくは制約条件の理論と呼ばれ、2001年5月初めて日本で出版された「The・Goal」が反響を呼んだことを覚えておられる方は多いと思います。あの本は、3.5cmの厚み、550ページもあります。挫折した人がいるかもしれません。今回サイコロを使った簡単なゲームですので、楽しくTOC理論を学ぶことができます。
  • 2026年1月28日 9:30 JST – 2026年1月29日 17:45 JST
    ウィンクあいち, 日本、〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4−38
  • 2026年2月10日 9:30 JST – 2026年2月11日 17:00 JST
    春蘭の宿 さかえや, 日本、〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町平穏2171
  • 2026年2月19日 9:30 JST – 2026年2月20日 17:30 JST
    エコハウス 浦和店, 日本、〒336-0022 埼玉県さいたま市南区白幡4丁目29−5
    前回の好評を受けて、また浦和で開催するチャンスをいただきました。
  • 2026年2月23日 9:30 – 18:00
    浜松市福祉交流センター, 日本、〒432-8035 静岡県浜松市中央区成子町140−8
    TOCとは、制約理論もしくは制約条件の理論と呼ばれ、2001年5月初めて日本で出版された「The・Goal」が反響を呼んだことを覚えておられる方は多いと思います。あの本は、3.5cmの厚み、550ページもあります。挫折した人がいるかもしれません。今回サイコロを使った簡単なゲームですので、楽しくTOC理論を学ぶことができます。
  • 2026年2月28日 9:30 JST – 2026年3月01日 18:00 JST
    株式会社ショーワ, 日本、〒101-0065 東京都千代田区西神田2丁目7−8
    東京、水道橋にて、マネジメントゲーム(MG研修)を開催します。 経理と経営がゲームを通じて学ぶことができます。
  • 2026年3月17日 9:30 JST – 2026年3月18日 18:00 JST
    ウィンクあいち, 日本、〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4−38
  • 2026年4月07日 10:00 JST – 2026年4月08日 18:30 JST
    交通ビル, 日本、〒105-0004 東京都港区新橋5丁目15−5
    東京、新橋にて、10卓MGのマネジメントゲーム(MG研修)を開催します。 経理と経営がゲームを通じて学ぶことができます。
  • 2026年5月14日 9:00 – 2026年5月15日 17:00
    中村土木建設 本社, 日本、〒477-0031 愛知県東海市大田町松崎331−1
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