大曲花火大会
- 辻 敏充
- 9月1日
- 読了時間: 3分
更新日:9月2日
先日、全国的に有名な大曲の花火を見てきました。テレビや写真でしか見たことがなかったのですが、実際に目の前で打ち上がる迫力と美しさは、言葉では表せないほどでした。
そして何よりも、その花火をこのように最高の環境で楽しめたのは、秋田でスーパーマーケットを経営されていたSさん、そしてSさんのお知り合いであるAさん、Bさんのお力添えがあったからです。
地元の方でも入手が困難なチケットの手配、そして宿泊先の紹介までしていただけたのは、ご縁の力だと花火を見ながら感慨深いものでした。
Sさんと初めてお会いしたのは今から10年前です。師匠がバリ島へ行くのを勧めてくださり、その旅行でご一緒させていただいたことがきっかけでした。年齢は一回り以上も違い、会社の規模も経営の経験も大きく差があるのに、Sさんは初対面の私にとても温かく接してくださり、気づけばいろいろな話で盛り上がっていました。
その後、私はSさんに会うために秋田を訪れ、逆に、Sさんが私の家に泊まってくださったこともあり、家族ぐるみでお付き合いをさせていただける関係になりました。
出会った頃から「ただの知り合い」ではなく「ご縁」へと発展したのは、ひとえにSさんの人柄の賜物だと思います。
Sさんと過ごす中で、忘れられない出来事があります。バリ島でご一緒した際に、デジタルカメラのデータを私のパソコンに移す作業を頼まれたときのことです。作業後に確認するとSDカードのデータが読み込めず、私は青ざめました。「やってしまった」と思い、何度も何度もSさんに謝りました。
ところがSさんは、にこやかに「辻さん、またバリ島に来たらいいんだよ」と言ってくださったのです。後から原因は単なる機器の不良だと分かり、データは無事でした。
私の心に残ったのは、データがどうこうではなく、その場でSさんが見せてくださった「目的本位の姿勢」でした。Sさんにとって大切なのは「写真」ではなく「私と仲良くなること」という旅の目的でした。
その目的をぶらさないからこそ、怒る必要もなければ残念がる必要もない。ご縁を大事にするとは、こういうことなのだと深く学ばせていただきました。
師匠から自力有限、他力無限と教わっています。自分の力には限りがあります。しかし「他力」は無限に広がっていきます。ご縁を通じて広がる世界は、自分一人では到底到達できない景色を見せてくれるのだと改めて感じました。
大曲の花火も、まさにそのご縁を大切にすることで延長線上にありました。10年前にSさんと出会ったからこそ、Aさん、Bさんと知り合うことができ、このような素晴らしい花火大会を体験することができたのです。
このようにご縁を大切にし、他力が集まったことで、予想もしていなかった体験をすることができました。私は花火を見ながら、これまで自分がいただいてきたご縁をどう大切にしていくのかと考えました。それは貢献だと思いました。
いただいたご縁は「大切に育み、次につないでいくもの」だけでなく、相手への貢献だということです。Sさん、Aさん、Bさんのように、ご縁がつながる方々へ、私自身もまた思いがけない体験を貢献できる存在になりたいと思いました。
コメント