三日坊主で構わない
- 辻 敏充
- 9月15日
- 読了時間: 3分
私は経営の師匠に10年以上お世話になっています。これまで本当に多くのアドバイスや指導をいただいてきましたが、振り返ってみると、結局は自分の「得意なこと」や「そこまで嫌じゃないこと」ばかりを選んで取り組んできたように思います。
苦手なこと、面倒なこと、損になるように見えることからは、どうしても無意識に避けてきました。師匠から「損を引き受ける」という言葉を教わりました。最初に聞いたときは「金銭的な損をすること」だと解釈しました。
実際には、それだけではありませんでした。自分がほんの少し時間をかければ済むことを、無意識のうちに他人に押しつけてしまう。自分の都合を優先し、人に負担をかけるという形で「損を他人に押しつけている」のです。これは私がよくやってしまうことです。
さらに厄介なのは、自分では「損を引き受けているつもり」になっている点です。実際には「このくらいなら自分にもリスクはない」と思える範囲でしか動いていない。つまり、どこかで安全なラインを見て、計算しながら行動しているのです。師匠のアドバイスを「頭で聞いている」だけで、実際には「行動として実践できていない」。そのことに、ここ数年で強く気づかされました。
同じように、私は「毎日コツコツやること」にも大きな課題を抱えています。これは昔から本当に苦手です。複写はがきを年間で1200枚ほどは書いています。数字だけを見れば「それなりにやっている」と思えるかもしれません。しかしデータを見返すと、0枚の日がなんと40%を超えています。これでは「毎日やっている」とは言えません。どうしても「まとめてやる」という形で帳尻を合わせてしまうのです。
思い返せば、私は子どもの頃から夏休みの宿題を8月31日にまとめてやるタイプでした。どうしても遊びを優先してしまい「帳尻が合えばいい」と考えていました。この「帳尻が合えばいい」という生き方は、実際には信頼を高めません。人は日々の行動を見ています。約束を守れる人なのか、言葉と行動が一致しているのか。そうした小さな積み重ねが、最終的には人間関係や仕事の成果となって表れてくるのだと思います。
「良い人生は、良い習慣からしか生まれない」と言われます。これは本当にその通りだと感じます。ここまで染みついた習慣を変えるのは簡単ではありません。おそらく、これからも「やらない日」が出てくるでしょう。しかし、そのときに大切なのは「やらなかった自分を責めて終わる」のではなく、「また今日からやり直そう」と実践するかだと思います。
途中で投げ出すのではなく、再出発を繰り返す。その積み重ねの中で、少しずつでも良い習慣を身につけていくことができるのだと思います。私は今回、内観や、複写はがきといった日々の小さな約束を、投げ出さずに取り組むことを改めて宣言します。偉そうに宣言しても、正直に言えば、やらない日がきっとあると思います。
しかし、それでもまた始める。やり直す。そうやって「継続の力」を自分の中に育てていきたいと考えています。人生を変えるのは特別な出来事ではなく、日々の習慣の積み重ねです。これからも私は、自分の弱さを認めつつ、建設的な習慣を育てていきたいと思います。そして、少しでも信頼を積み上げられる人間になっていきたいです
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