不適切な行動の対応
前回号で、原因探しがダメなのはわかった。それじゃ具体的にどういう声掛けをしたらいいの?という質問がありました。 まずは例で考えていきたいと思います。子供が兄弟が喧嘩をしていた時に、何でケンカをしたの?とお母さんが聞けば、「お兄ちゃんが殴った」「弟がおもちゃを取った」と言うかもしれません。これだと、どっちが悪いという裁判になってしまいます。そうすると悪い方になった方は、怒ってしまって、さらに悪いことをするかもしれません。原因探しをしても良い解決策が出ないように思います。こういう時に目的を聞くと、上手くいくことがあります。 この喧嘩のいきさつが、弟がお兄ちゃんのおもちゃで遊びたくて、無断で遊び始めた。それを見たお兄ちゃんがおもちゃを取り返そうと殴って喧嘩になったとしましょう。お兄ちゃんの目的は、おもちゃを取り返すです。殴るは手段です。お兄ちゃんに殴る代わりの手段はないかを考えてもらう。案が出なかったら、暴力ではなく「返して」と言うことを教える。弟は、お兄ちゃんの物で遊びたいという目的を達成するために、勝手に取っちゃったわけです。これは不適切な方法です